ノスタルジーの国

ノスタルジーの国

外国人の「日本を見る目」が変わってきている?

外国人観光客が年々増えている。
日本の物価が相対的に安くなり、観光しやすくなったのが原因らしい。
最近は高岡に住んでいても、彼らの存在を無視できないくらいだけど、
どうも彼らの日本に向けている視線が、変わってきているような気がしている。

先日こんなことがあった。
いつものように自転車に子供2人を乗せて散策していると、
中国人と思われる若い観光客が、スマートフォンのカメラをこちらへ向けてきた。
自分は「外国人なら別にいいか」という気持ちで無視していたのだけど、
それはまるで途上国を訪れた先進国の人間が、現地人の暮らしを
好奇の目で見ているかのように感じられたのだった。

アナログの国・日本

外国人から見た日本は、ハイテクやロボットのイメージがあるらしい。
しかし実際の日本は、アナログな国だと言われている。
今でも現金社会であり、ネットやスマートフォンの普及率は
他の先進国と比べて高い方ではない。

ましてや高岡に住んでいると、超アナログ社会といっていい。
街で電子マネーを使っている人はほとんど見たことがなく、
ほんの数年前まで、自動改札もセブンイレブンも無かった。
地元のスーパーはクレジットカードすら使えない現金社会だった。

外国人観光客が街角でタブレットや電子ペーパー端末を触っているのを見ると、
自分は「すげえな、未来人だな」と思っているくらいである。
彼らは身なりからして小綺麗で、スマートフォンは最新機種、
カメラもフルサイズの高級デジタルカメラなどだ。

それらは現地人である自分には経済的にちょっと手が届かないし、
普段生活する分には、無理して購入するほどの必然性を感じない。
そこには、まるで先進国と途上国のような対比が出来上がっているのだ。

かつての日本は、時代遅れのユートピアだった

少し視点を変えるが、19世紀半ばのヨーロッパでは
「ジャポニズム」いう日本趣味が流行したらしい。
流行の要因としては、当時の日本が持っていた文化的特徴が、
蒸気や機械の助けに頼らない前工業化社会としての性格と性質を
高い水準で持っていたからという見方もある。

つまり、当時の日本と欧米の間には「工業化」という点でタイムラグがあった。
当時の日本には欧米の古き良き時代を彷彿とするような、
時代遅れのユートピアの魅力があったということだ。

さて、今はどんな時代かというと「デジタル化社会」への過程期と言っていいだろう。
1990年代に起きた情報革命は、かつての産業革命のように世界を一変させている。
アジアの途上国では高度成長のタイミングと重なり、
一気にデジタル化社会のインフラが整備されることになった。
そして、深センのようなデジタル化先進的都市を生み出したのだ。

一方の日本は、高度成長のタイミングがアジアで最も早く、
1980年代には大抵のインフラが行き渡っていた。
マンガやアニメ、ゲームなど現代の日本を代表するカルチャーも
その時代に生み出されたものが多い。既に文化が育まれるほど豊かだったのだ。

どうやら多くの日本人はこの「前デジタル化社会」というべき豊かさで
十分満足してしまったので、今日のアナログ社会がある気がしている。
とにかく今の日本は「前デジタル化社会」の性格と性質を
高い水準で持っているといっていいだろう。

日本は前デジタル化社会の国

外国人観光客が今の日本で感じているものは、
かつてのジャポニズムと同様のノスタルジーがあるのかもしれない。

日本を覆い尽くしている「前デジタル化社会」に完成された街並みや
その時代のカルチャー、そこで暮らすアナログな人々・・・。
高岡の古い町並みを走るドラえもん電車を見て喜ぶ中国人旅行者を見るにつれ、
そんなことを思わずにはいられない。彼らにとっての日本とは、
幼少期に見たであろうドラえもんのアニメの世界と同様に、
なんだか懐かしさが感じられる対象なのかもしれない。

「こんなことでは日本は世界に取り残される」と焦るべきかもしれないが
観光というキーワードで考えると、むしろ開き直って
堂々としているのも一つなのではないだろうか?
それは後発の国にはとてもマネできない芸当だろうから。

〜日本という国はいつまでもデジタル化前の20世紀後半の姿をとどめており、
いかにも前時代的な雰囲気だけど、人々はデジタルに頼らない簡素な生活をし、
住民たちはそれなりに満足そうだ〜

まぁ、そういう国が世界に一つくらいあっても悪くないだろう(笑)

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