クラフト市場街のことなど

クラフト市場街のことなど

イベントを訪れる際に参考になりそうな情報は
昨年の記事」にあるので今回は割愛する。
その代わり、毎年このイベントを訪れるひとりのファンとして、
率直な感想を書きたい。

「クラフト市場街、大成功だよな」「だよな」
関係者のこんな感じのやりとりが印象的だった。

クラフト市場街をはじめ、高岡の街中のイベントは
県外にも広くPRしているにも関わらず、「閉じられた世界」という空気が
どこか漂っているような気がしている。観光客があまり目立たないのも気になる。

クラフト市場街はわかりにくい

広い会場がわかりにくい

会場のエリアは主に高岡駅〜金屋町と広い。
小規模なところを含めると端は本町や博労町辺りまで。
さらに10㎞ほど離れた戸出エリアにも会場がある。

山町筋や金屋町の観光駐車場は会場となっているため使えず、
周辺にコインパーキングもほとんどない。
だから、高岡駅周辺に駐車してひたすら歩く感じになる。

自分が毎年レンタサイクルを薦めているのはこれが理由なのだ。

今回は例年以上に展示がまばらな印象があった。
回遊性を高めるなら、会場の範囲を狭めて密度を上げた方がいいのでは?と思う。
山町筋や金屋町は高岡駅からシャトルバスが運行されているからマシな方で、
戸出エリアは車以外でアクセスができない。

テーマを見直そう

個人的に気になっていることだけど、
回を重ねる毎に「クラフト」というテーマが薄れているように思う。

各地のグルメイベントやバンド演奏(?)のような要素が強くなり、
テーマが曖昧。寄せ集めの印象がある。

いくら金屋町の町家で「世界初の漆塗りサックス」に感動しても、
テーマがボケたイベントでは、良いモノが印象に残らない。
グルメイベントやバンド演奏、雑貨展ならどこでもやっているのだ。
・・・自分がこの手のイベントに積極的に行かなくなったのは、
どのイベントも似ていて感動が薄れたことが理由だ。

だからクラフトというテーマに立ち戻って
思い切った取捨選択をされてはどうだろうか?

高岡にはポテンシャルがあるはず

高岡の街には陰翳礼讃(いんえいらいさん)と言うべき、
昔の日本の美の感覚が残っている。

例えば、クラフト市場街のイベントでは金屋町辺りの古い町家が
展示スペースとして解放されるのだけど、
そういう建物に入ると、その薄暗さにハッとさせられる。

薄暗い屋内から見える明るい日本庭園の対比という陰と陽の感覚。
この陰気さが自分の感性に突き刺さるものがある。
間接照明で照らされたモダンな和室とは異なる美しさだ。

そもそも漆器や銅製品、金蒔絵の道具などの工芸品(クラフト)は、
そういう場所でこそ美しく映えるものではないだろうか?

「陰翳のある町家の空間」と「高岡の工芸品による調和」で、
理屈抜きで感性を揺さぶられるような新鮮な体験。
高岡らしいイベントを考えると、その辺りにヒントがありそうだ。
以前、金屋町の古い町家を使って開催していた
「ローカルキッチン」みたいなイベントはとても良かったと思う。

ここまで長々と問題点を書いたものの、
クラフト市場街は運営側の創意工夫を感じるし、
刷新される内容も多いので、毎年楽しみなイベントだ。
陰ながら応援していきたい次第だ。

(2018年10月追記)