高岡ホテルのことなど

知られざる歴史遺産、高岡ホテル

※2018年秋よりランチ営業を当面休止しています。ご注意ください。

高岡の歴史が詰まった高岡ホテル

建物は今から100年以上前の明治38年に建てられており、
その昔は、著名人や政界人に愛され、
皇族の方が宿泊されるような高級ホテルだったという。
自分の記憶では昔のテレビドラマ「裸の大将」シリーズで
このホテルが登場していたような気がする。

堂々とした木造建築は異彩を放っているのだけど、
今や「謎のベールに包まれた存在」と言っても過言ではなさそうだ。
どうも数年前に宿泊業は取りやめており、窓に灯りがついていることも稀。
自分の周りでも話題に上がったことがない。

ランチ営業時のレポート

その高岡ホテルが2018年春〜秋まで平日のランチ営業をされていた。

こちらがエントランス。駐車場はたっぷり完備。
今は家族だけで営業されているようで、大きな建物に対して
スタッフが少なく、ひっそりしているのは仕方がないのかもしれない。

当時の豪華さが偲ばれる内装。

ランチは魚と肉の2種類。お子様メニューもあり。
お好きなドリンクとデザートが付いている。

料理は一昔前の和風レストランという趣で懐かしい雰囲気。
1,200円で昔の高岡に触れる体験だった。

高岡の魅力とはなんだったのか?という話し

以前、とある旅先で東京から来た旅慣れた感じの中年夫婦と
高岡の話題で盛り上がったことがある。

彼らの話しでは、高岡に滞在して印象に残っているのは
このレトロな「高岡ホテル」と「如意の渡し」(渡し船)。
定番の瑞龍寺や日本海の海の幸よりも、
この街にある日常風景が特に印象深かったそうだ。
しかし、今では高岡ホテルに宿泊できないし、
渡し船は数年前に橋が完成して廃止されてしまっている。

そういう話しからしても、少し前までの高岡には
人間臭さだとか、野暮ったさが濃厚に残っていて、
現代的な一つの価値観に染まっていない「取り残された日本」という
魅力があったのではないかという気がしているのだ。

しかし、当の高岡市民はそれを魅力と思ってなかったようで、
この10年ほどで、以前の雰囲気はすっかり薄れてしまった。
駅前は近代的にリニューアルされ、
山町筋は無電柱化されて古い街灯やら看板まで剥がされ、
すっかり生活感の無い観光用の街になった。

商店が連なっていた町並みは既に空き店舗が多かったのだけど、
空き地がみるみる増えた。以前はたくさんあった
レトロなムードに浸れる喫茶店や定食屋も今やほとんどない。
「高岡はレトロな喫茶店がいっぱいあるぞ〜」と
得意げに語っていた自分も最近はダンマリだ。

近くの富山市や金沢市よりは、人間臭さや野暮ったさは
比較的残っている気がするのだけど、
以前の雰囲気を知る自分にはどこか物足りない・・・。

今回のランチ体験で「まだこういうものが健在だったか」と
安堵するとともに、建物や庭の荒れ具合から
「古き高岡も、いよいよ瀬戸際なのか」という印象。

私としては、ブログで古き高岡をささやかに紹介する次第だ。